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トーキン★カフェ > 「カフェライター・山村光春さん」1ページ

今回はなんと、ビッグなゲストに登場して頂きました。その名も山村光春さ ん。カフェ好きの方ならご存じかとは思いますが、以前オリーブの人気企画「カフェグランプリ」を担当されていて、様 々なカフェに関する本をお書きになられているライターさんで、現 在のカフェブームを作った人といっても過言ではないというほどのスゴイ人なのです。そんなスバラシイお方がこのトーキン★カフェに登場して頂けるなんて! スウェードの気持ち的にはミックジャガー独占インタビューなくらいのテンションで、若干舞い上がり気味でしたが、色々お話をお聞きしてきましたよ。 ※この取材は2004年当時のもので、現在とは異なる内容もございます。 |
ス ウェード●今日は「カフェウィーク」で福岡にお越しになられた山村光春さんにイン タビューさせて頂きます。どうぞ宜しくお願いします。 山村■宜しくお願いします。 ●えー本日はイベントで大変お疲れのところ、こんな遅い時間(夜11時 25分)からのスタートになってしまいましてスミマセン。朝からしゃべりっぱなしだったとは思うんですが、本日はどうもお疲れさまでした。 ■ありがとうございます。お疲れさまでした。 ●非常におもしろい、楽しい話をですね、いろいろ聞かせて頂きました。 ■ホンマですか?ありがとうございます! ●えーそれではですね、山村さんがどういう方なのかっていうのを知ってる人は知ってると思うんですが、カフェトラにアクセスしてくる人には、カフェをまっ たく知らない、これからカフェに行ってみようかなっていう方も当然ながらいらっしゃるワケなんで、そういう方たちにも分かり易くいろいろお話していきたい と思います。 ■はい ●山村さんのお仕事はカフェ専門といいますか、非常にカフェに特化したライターさんという事なんですけども、実はこちらの方に山村さんの著書の方を持って きております(といいつつゴソゴソバッグの中から山村さんの著書を取り出す) ■お! ●用意がいいでしょ?(笑)僕の私物なんですけど(笑)、楽しく読ませて頂きました。 ■おー!ありがとうございます! ●「眺めのいいカフェ」という本と、もう一冊ですね「カフェをはじめたくなる本、カフェをやめたくなる本」ということで。これともう一冊「カフェの話」と いう本があります。こういったカフェに特化した本を書かれるようになったいきさつを探って行きたいと思います。 ■はい。 ● それでスミマセンいきなりバックボーンの話に入っ てしまうんですけど、ご実家が喫茶店をやられてたんですね? ■はい、そうなんです。今は違うんですけど、以前は母親が喫茶店を経営 してました。 ●なんて言う名前のお店だったんですか? ■「サラーム」っていう(笑) ●サラーム?どんな意味なんですかね? ■アラビア語でなんかねぇ・・・「向上」とかそういう意味だったと思い ますよ。だんだんこう・・・上がるっていうか(笑) でもま、大した意味はたぶん無いと思いま す(笑) ●そうですか(笑)、山村さんのご出身はどちらでしたっけ? ■生まれは大阪です。大阪市内。 ●その、生まれた時にはもう家が喫茶店だったんですか? ■えーとですね、いや正確に言いますと僕が小学生の時に母親が始めたの が最初ですね。 ●それまではお母様は普通に専業主婦とかなさってたんですか? ■そうなんですよ。それが何をトチ狂ったのか(笑)突然奮起しまして (笑) ●ふはは(笑) ■自分で店をやりたい!っていうことでやり始めたのが、僕が小学校の高学年の時でした。 ●あーじゃあ物心ついてからというか、世間の分別も分かり始めた頃にはウチの中コーヒーの香りが・・・という感じなんですね。 ■そうそう、ホントそんな感じです。 ●じゃあもう、筋金入りの珈琲好きということで。お店は純喫茶みたいな感じだったんですか? ■もうね純喫茶というほど純でもなくて。コーヒーもあれば焼きそば定食 もあれば。たまにはてんや物のお寿司も出る・・・みたいなそういう「食堂」と「喫茶店」と何かも うゴチャゴチャになったような、近所の人達をターゲットにしたささやかなお店でした。 ●その時代の喫茶店なら、やっぱりインベーダーゲームとかあったんでしょ?(笑) ■あ!ありましたありました!(笑) ●やっぱりありましたか!マストアイテムですもんね!(笑) ■後ね、今から考えると「ええんかな?」と思うんですけど、麻雀ゲーム もありました。 ●あははははは(爆笑) ■ありましたねぇ、確かに。そういう何の変哲もない、今から考えれば「オシャレ」の「オ」の字もないような。(笑) ●そういうカンジでご実家が喫茶店だったということなんですけども、今、こうしてカフェのライターというお仕事をされてる訳じゃないですか。そこに行きつくまではどんな流れだったんですか? ■あのですね、元々僕はオリーブで25歳の時からライターの仕事をさせて頂いてるん ですけど、それまでも街めぐりとか雑貨屋さんを見たりとか、当時「カフェ」っていう 言い方はしていませんでしたけどコーヒーを飲めるお店に行ったりだとか、そういう のが好きだったんですよ。もちろん趣味の延長線に過ぎない感じで仕事にするという事もなく。ただオ リーブに入った事によってそれが仕事になったんですね。 |
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●はいはい ■仕事になるとカフェも含めていろんなところに取材に行ったりだとか、オリーブという雑誌自体がカフェの特集をよくやってたんでその取材でいろんなお店に行くようになったのが今のカフェについて書くという状況のキッカケになりましたね。 ●なるほどですねー。もっと小さい時分から将来は「書く事を仕事にしたい」っていう考えはあったんですか? ■あ、あったというよりは子供の頃から作文とかがすごく好きな子供でした。あのいわゆるちょっと暗い子やったんです。同年代の友達が「ドッジ行こうぜ~」って遊んでるのに、僕は本読んでる・・・みたいなね。(笑) ●あはは(笑) ■そういう感じのちょっと暗い子で(笑)、文章とか作文とか書くのが好きでね、学級新聞とかに載るような作文のコンクールがあったりすると「あーまた校内新聞に載ってしまうわー」みたいな、すっごいやらしい子供で。(笑) ●ふふっ(笑) ■あの時の方が妙に文章にも自信があって、「こういうふうに書いたら先生に褒められんねんなー」みたいなところを解ってるようなこまっしゃくれた子供でしたね。(笑)だから今の方が文章に対しては自信が無いですね。(笑)小さい時から文章書くのが好きだったんですけど、仕事にしようとしたのは大学生の時に出版社のアルバイトをしたのがキッカケです。 ●出版社でバイトですか。実際やってみてどうでした? ■その時にもう「天職だ!」っていうふうに思ったんですよ。たまたまなんですけど、お母さんがやってる喫茶店の常連のお客さんが朝日新聞の食堂のおっちゃんやったんですね。すっごいそういう細ーいツテを辿って朝日新聞でアルバイトしたんですよ。朝日新聞っていうのはコネのある人というか紹介でしかアルバイトに入れなかったんで。(笑) ●へぇーそうなんですか。 ■それでアルバイトに入って記者さんのお手伝いをするという仕事だったんですけど、その中で記者さんの仕事の醍醐味に触れて、その後に出版社でアルバイトをするようになってその時は実際に文章とかも書いてたんです。 ●どういった文章を? ■「大学生のためのページ」っていうのがあって、大学生がいろんな物事を経験したそのレポートを書くみたいな仕事でした。で、その時に記事を書くという事を初めてして、それがもうすごく楽しくて「あ、これや!」っていうふうに思ったんですね。で、その時に「これや!」って思ってから真っ直ぐ今に至るっていう感じですね。もう何の寄り道もせずに。(笑) ●でもちょうど良いタイミングだったんでしょうね。大学生の時に自分の「これだ!」っていう道が見えたっていうのは、最近じゃなかなか無いでしょうからね。 ■うん。見えたというよりは本当に昔から好きだったものを活かせる仕事があるっていうのが分かって、カチッと合ったみたいな感じでしたね。 ●なるほど。 ■だからそれまでも好きだったんですけど、それを職業に出来るとかしたいっていう意志はその時まで無かったんです。仕事に出来るっていうのを知った事でたまたま合致したという感じで、野心とかいうよりは偶然が引き起こした感じでしたね。 ●25歳で社員としてオリーブに入られたんですか? ■えーと僕は社員ではなくてフリーで入ったんですよ。大学でアルバイトをやって、そのまんまそこの出版社に居着くようになり(笑)、自分の机とかもあってほぼそこの社員的な感じで働いてたんですけどフリーの契約で、25歳の時にオリーブに入った時も紙上の契約は全くなかったんです。本当にただのライターとしての契約だったんですね。だから今まで一回も会社に入ったという事がないんですよ。(笑)だからボーナスとか貰ってみたいんですけどね。「ボーナス一括払いで」とか言ってみたいんですけど。(笑) ●僕はてっきりマガジンハウスに入られてから実力を付けてフリーになられたと思ってたんですけど、最初から実力があったんでマガジンハウスに入れたという事なんですね。 ■あーでもあのオリーブにいた5年間は本当に毎日のように行ってましたし、もちろん机もあって編集のような仕事もしてましたんで、ホントあそこで鍛えられたといっても過言ではないですね。 ●オリーブというともちろん女性誌なワケじゃないですか。そういうところに配属された時ギャップなんてのはありませんでしたか? ■あー。僕は元々女性誌とかも読んでたのでそういう分け隔ての無さみたいなのは常日頃感じてましたね。男性誌・女性誌とか自分の好きな分野だけっていうのではなく、与えられた物をすぐに好きになるんですよ、どちらかというと。だから女性でもそれは変わらず与えられた仕事を好きになる事から始めるという、そんな感じでやってましたね、ずっと。 ●オリーブに入られて、それから世間にカフェがちょっとずつ出始めて、少しずつ話題になりかけた頃というのは年代でいうといつくらいでしたか? ■えーと98年にオリーブの「カフェグランプリ」という特集が初めて発売になったんですね。それまでも今言うところのカフェっていうのは増えてきてたんですけれども、まだ点々とした感じだったんです。それらが線として繋がって紹介されたっていうのはオリーブが初めてじゃないかっていうのは、その時は言われてましたね。 ●山村さんもそのグランプリ特集には当然関わられてたワケですよね? ■はい、そうですね。その特集をずっとやってました。 ●お店って当時でもいっぱいあったと思うんですけど、それらはご自分で調べられて取材されてたんですか? ■そうですね。実際その取材に行く事もそうなんですけど、普段から街を歩いてカフェを見つけるっていうのを日課のようにしてました。やっぱり街を歩いてる時に見つける情報っていうのがすごく本物な感じがして。 ●取材のネタ元は足で探す、ですね。 ■大体、雑誌の仕事をしてる人も雑誌を見て取材するっていうパターンが多いんですけど、当時はまだカフェも今みたいに乱立してるような状態じゃなかったですし、情報も少なかったんで、足で探すしかなかったんですよね。 ●その中から厳選されたお店を載せたワケですね。 ■そうそう「グランプリ」とかを付けてましたからね。取材するのはもちろんのこと、その中で一番良いのはどのカフェかっていうのを考えながら取材してました。 |