だんだん暖かい日が多くなり街には春物のお洋服がすっかり出揃って、いよいよ春ですね!先日もハヤテをベビーカーに乗せて散歩していたらふわっとどこか懐かしくて切なくなるような甘い香りが・・・。ご近所の梅がキレイに咲いていました。
春は卒業や転勤などで環境が変わる方も多く、あちこちで別れの人間模様が繰り広げられるちょっぴり切ない季節でもありますが、その後に待っているのは新しい街や新しい出会い。梅も咲き、菜の花も咲いて、新生活がスタートする頃にはちょうど桜が咲き始め、
あちらこちらで次々に顔を出す新しい生命は街全体を鮮やかに色付けて、まるで私達のスタートを応援してくれているようです。
街が鮮やかに色付くのと同じように「いつもの部屋に花を飾る」というたったそれだけで見慣れた空間を見た目だけじゃなく変えてくれる・・・そんな不思議なチカラが花にはあるんです。今回は重苦しい空気や憂鬱な気分が自然に浄化されていくような、そんな春にふさわしい「お花」のお話です。

ほんの些細な事でどこか憂鬱だった気持ちがリセットされる事っていろいろありますが、私にとってそれは「コーヒーを飲む」のと「花を飾る」というのが最も手っ取り早い方法のよう。比較的インドア派の私にとってどちらもうちで手軽に出来てちょっとだけ贅沢な気分になれるからなのかも知れません。
街のカフェにもさりげなく花を飾ってあるお店がたくさんありますね。
ほんのちょっとのお花でもあるのとないのとでは雰囲気がガラリと変わります。それは家の中だって同じ事。部屋の片隅やテーブルの上にちょっとお花が飾ってあるだけで家中が鮮やかになる・・・というのは少々おおげさですが、まだ独身だった頃に忙しく働いて帰ってきた部屋に花があっただけでどこかホッと安らいだのを私は今でも鮮明に憶えています。それはドライフラワーや造花では決して出来ない生花ならではの効能。生きたお花には周りの空気までも活き活きさせるチカラがあるのです。

街にはたくさんのお花屋さんがあって最近ではカフェ併設のお花屋さん、お花屋さんのあるカフェといったスタイルのお店も珍しくありません。一輪で存在感アリアリの豪華な花から、道ばたに咲いていてもおかしくないような華奢で儚げな花まで、実に色とりどりのたくさんの花が売られています。
お花を飾る・・・と一言で言ってもこんなに種類があったら一体どれを買えばいいのやら迷ってしまいますよね。そんな時はどこのお花屋さんにも予め作ってあるブーケやアレンジがたくさん置いてあるのでそれを活用します。お花の名前なんか知らなくても全然OK、自分の好きな色味や見た目の可愛さで決めちゃいましょう。
実際に私も花の名前についてはそれほど詳しくないので、花を買う時は花の可愛さとその時の気分に合わせた色味で決めています。また数種類の好きな花や色味、希望価格を指定してお花屋さんのセンスにお任せしてしまう事も。そうすると自分ではセレクトしないだろうという意外な花の組み合わせで出来上がったりして勉強にもなりますしね。


こちらはいろんな色がミックスされた実に春らしいアレンジ。「リディア」というオレンジシャーベット色のバラと「グリーンバレンタイン」という黄緑のスプレーカーネーションをメインに、あめ玉みたいな可愛いピンクの千日紅、小さい白い花が密集して咲くコデマリ、優しいブルーのデルフィニウム、淡いピンクのスターチス、真っ白なスイートピーなどなど春の花がキレイに競演しています。またピットスポラムとレザーファンというグリーンの葉っぱが色味の異なる花々を全体にキレイにまとめてくれています。
SMILEY HOUSE(cafe smiley)/1,000yen

こちらのアレンジは一輪でかなり存在感があり色も豊富で買いやすさピカイチのガーベラと、これも花の中の花ともいうべきバラがメインのミニアレンジ。ガーベラは赤紫系のでバラが濃いめのピンク色です。他に薄ピンクの千日紅と小菊が入っています。昔はアレンジというとバスケットを使うのが主流でしたが最近の花屋さんでは価格を下げるためプラスチックカップを使いペーパーでキレイにカバーしたものが売られています。
For Greens(マリノアシティ店)/580yen


■ブルースター
ガガイモ科 別名ルリトウワタ 原産国ブラジル南部・ウルグアイ 花期5 〜10月

これは数ある花の中で私が一番好きな花「ブルースター」です。名前の通り花びらはさわやかな水色の星形。茎全体に白いうぶ毛が生えていてどこか儚げで繊細な雰囲気のお花で一本約200円程度で売られています。茎を切ると白い汁が出て切り口をふさいでしまうので普通に処置するだけでは切り口からうまく水を吸い上げられません。そこでお花屋さんに簡単な処置法を聞きました。切り口を酢水の中で白い液体が出なくなるまでよ〜く洗うという方法。それでも普通に水切りするよりだいぶ長持ちするらしいですよ。上手に処置して最後まで可愛く咲かせてあげましょう。

私自身はそんなに花について詳しいワケではないですし、お花を習った事も一度もないのですが、小さい頃から母が鉢植えを育てているのを見ていたり、花屋さんの知り合いが多かったり、若い頃に年上のお友達がお花を習っていたのがすごくオトナに見えて憧れたりと、昔から私の周りには花好きな人が多かったのです。そんな環境のおかげで私も自然にお花が好きになったというワケですね。とは言え私自身は切り花を買ってきて飾るのが精一杯で、花を植えて育てるといった作業やら生け花やフラワーアレンジメントを習うといった事は性格的に不向きなのですが・・・。(笑)

■花の元気がなくなってきたら・・・■
さてさて、お花屋さんでアレンジしてあるものを買ってきてから2〜3日は新鮮なお水を与えてあげるだけで特別な処置をしなくても花は元気に咲いていてくれますが、花の種類によっては徐々に萎れてくるものが出てきます。そんな時はまだ萎れきってしまう前にアレンジから抜いてもう一度きちんと水切り(※)してあげましょう。新しい切り口から新鮮なお水を吸い上げた花は最後のもうひと頑張りでもう少しだけキレイな花を咲かせてくれます。
水切りした後は一輪挿しや小さいグラスに差しておくと良いですね。最後の最後まで楽しめるようにお水は毎日必ず換えましょう。またお水の中に少量のお砂糖を溶かしておくと糖分が花の栄養になり思いのほか花が長持ちするんだとか。
今では花瓶や一輪挿しもかなりの安価で売られていますが、わざわざ買わなくても可愛らしい形のヨーグルトやジャムの空き瓶を再利用したり、外にもアイディア次第でいろいろな方法があります。例えば下の写真のように・・・。

※水切り・・・花の茎を水の中に浸けてハサミで切る事。切り口がナナメになるようにスパッと切りましょう。切り口から新鮮な水を吸ってお花が元気になります。

▲こちらは見ての通り「たまごの殻」です。たまごの上の部分から全体にヒビが入ってしまわないように穴を開け中身をキレイに取り出し、口の部分を写真くらいの大きさの穴にします。殻の中は流水でキレイに洗って安定させるために中にオモリを入れます。写真はテディベアを作る時に使うステンレスボールというビーズ状のオモリですが、ビー玉や釘などオモリになるものであれば何でもOK!たまごの中身もちゃんと食べましょう。(笑)

▲アレンジからコデマリを抜いて水切りし直し、大好きなブルースターと一緒にちょこんとアレンジしてみました。たまごの空に入れるオモリが無い場合はこのままエッグスタンドに立てて飾っても可愛いかも。こういう小さなアレンジはキッチンや洗面所、トイレなど狭いスペースに飾るのにピッタリですね。不思議と水まわりにはお花やグリーンが似合うもの。きっと植物と水にはお互いに引き合うチカラがあるんでしょうね。

■自分だけのオリジナルアレンジを作ってみよう■
手頃な価格でお花屋さんにおいてあるアレンジをそのまま飾るだけでも充分可愛いのですが、それにほんのちょっと手を加えるだけで簡単に自分だけのオリジナリティを出す事も出来るんです。お正月やクリスマスといった季節の行事や、家族やお友達の誕生日や記念日に、自分で手を加えたアレンジでお部屋を飾ったりプレゼントしてみてはいかがでしょう?
私みたいに花をいじるのが苦手な人にも簡単に出来るのは花のアレンジには一切手を加えずアレンジ全体を包むラッピングペーパーを「それらしい」ものに変える事。それだけでも全然違った雰囲気になるんです。たとえばお正月には和紙を使ったり、バレンタインにはピンクやハート柄のもの、クリスマスにはグリーンや赤やゴールドで豪華に・・・といった感じに。
またお花屋さんやホームセンターでガーデニング用の可愛い絵やマスコットの付いた可愛いピックがいろいろ売っています。そういうのをアレンジの中に一本差すだけでもグッと雰囲気が出ます。こういったピックは簡単に作れるので思いつく限り自分で作ってみてもいいですね。

左の二つのミニアレンジは今年のお正月に我が家に飾ってあったお花です。実は上で述べたようにお花屋さんで買ってきたアレンジにちょっとだけお正月っぽい飾りを差したり外側を和紙で包んだりしただけのもの。(笑)本当はお正月用のお花ってそれらしいのがいっぱい売ってあるんですが、ちょっとだけあればいいので我が家はこんな感じで・・・。
そのお正月のアレンジがちょっと元気が無くなってきた時、水切りし直して和陶器のお猪口に生花用の土台を入れてアレンジし直しました。赤いミニバラと朱色に近い千日紅と黄緑っぽい小菊、それから花びらが本当にロウみたいで可愛いワックスフラワー。すだれのようなコースターを敷いてお正月らしい和の雰囲気を演出。(笑)
ガーベラのように存在感のある花はこんな感じでガラスのボウルに水を張って浮かべてみるのも可愛いですね。他に小菊を一輪とワックスフラワーを少し。このまま洗面台に飾っておきました。水に直接触れる部分が多いとそこからバクテリアが発生しやすくなり腐りやすいので、水は毎日必ず換えます。

自分で花を育てる事が出来ればそれが一番良いのかも知れませんが、昨今の住宅事情ではそのための庭が無かったりベランダが狭かったりと物理的に不可能だったり、また私のようにメンドくさがり屋の性格で花を育てるという作業には根本的に向かないという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にも気軽に花を楽しんで頂けるのが切り花です。通常お花屋さんで売られている花だけでもその種類は数え切れないほどあり、一種類の花にも色の違うものや咲き方の異なるものなどがあります。それらをひとつひとつ覚えるのは大変な事ですが、こんなミニブーケやアレンジなら花についてまったく何も知らなくても本当に気軽に自宅でお花を楽しめますよね。
お花屋さんはお見舞いやお祝い用の特別な花束を作ってくれるためだけに存在してるのではなく、むしろこんなふうに日常的にちょっとお花を飾りたいという、そんなささやかな願いを叶えてくれるもっともっと身近な存在なのかも知れません。

さてさて、今回こうして改めて花について書いてみると何だかいろいろな思い出が鮮やかに蘇ってきました。もしかしたらそれは、当時ウキウキした気分で買った花にはその時の喜びが、憂鬱な気分を変えたいと思って買った花にはその時の悲しみが・・・というふうにその時その時の思いや願いがたくさん詰まっていたからなのかも。
お花に限らず雑貨や洋服など、私達の生活を彩ってくれている脇役達には普段の私達を知らず知らず癒してくれるチカラがあると同時に、そんな私達の抱え切れない思いも共有してくれているのかも知れませんね。
当たり前の事だけど、新鮮な酸素を生み出してくれる植物が無ければ私達は呼吸出来ません。呼吸するという当たり前の事が出来なければ私達は生きてさえいけない。出会いの喜びも別れの切なさも、この一杯のコーヒーがそこはかとなくウマイのもみーんな生きてるからこそ・・・と、ちょっぴり大袈裟な事を考えつつ今日もテーブルに花を飾って美味しいコーヒーを飲む私でした。(笑)

皆さんはこの春どんなスタートラインに立つのでしょう?入学や就職などで生活環境がガラリと変わる方も去年までとさほど変わりない方も、いつものお部屋に花を飾って自分だけの時間をちょっとだけ彩ってみてはいかがでしょう?
たまには普段ちょっと頑張り過ぎてる肩の荷を下ろして、美味しいコーヒーでも飲みながらボーッとするのも必要不可欠な時間。そうやって鋭気を養いつつ明日もまたサクサクと生きていきたいものですね。

さぁ、 気分一新にはもってこいの季節、今年も春の到来です!

(March,2004 by hanako)