北国ではもう雪が降る季節・・・外は寒くてもお部屋の中では心からゆったりと温かく過ごしてみませんか?我が家ではにぎやかな子供達が寝静まった夜、夫婦でまったりと台湾式中国茶を飲みながらおしゃべりするという『うち茶会』を楽しんでいます。
晩酌という習慣のない我が家にもゆっくりと語り合う時間を与えてくれる中国茶。
今回の『うちカフェをはじめよう』は昨今にわかにブームにもなっている「中国茶ノススメ」です。
烏龍茶がダイエットに効くといわれ一大ブームを巻き起こしたのは一体今から何年前の事だったんでしょうか?一説にはピンクレディーが言った一言からあのブームは起こったと言われていますが、それが何年前(何十年?)の事だったのかもはっきり思い出せないほど今では日本人の生活の中にごく当たり前のように烏龍茶は存在しています。
そういう私もペットボトルのお茶を買う時はもう10年以上も何の迷いもなくサントリー烏龍茶を選んでいますし。(笑) 少し遅れてプーアール茶など多少クセのある中国茶も普通に飲まれるようになりましたが、そうして昔から日本にあった中国茶ブームというのは「健康に良い」「美容に効果的」というところが入り口で、中国茶の愉しみ方や作法というよりはむしろその味や効能の方にばかり注目が集まっていたようです。
昨今のブームで中国茶を出しているカフェも中国茶専門店も今や福岡にもたくさんありますが、私が中国茶にハマったのは今から5〜6年前に横浜の中華街にある『三希堂(さんきどう)』という中国茶の専門店に行ったのがキッカケでした。
ここのオーナーさんは台湾高山烏龍茶という中国茶に魅せられ本場台湾に茶畑を持ってしまったほどで『三希堂』は中華街はもとより全国的にも有名なお店です。
こういう中国茶専門のお店は台湾・中国では茶藝館(サゲイカン)といい街の至るところで見かけるスタイルだそうですが、日本ではここまで本格的なお店は当時あまりありませんでした。
店内に入った途端になぜかそこだけ時間がゆっくり流れているような独特な雰囲気が漂っており、工夫(クンフー)茶器を使った工夫式のお茶の愉しみ方をスタッフの方が丁寧に教えてくれます。
月餅やゴマ菓子などの中華スイーツと一緒にそこで初めて味わった本格的な中国茶は単にお茶を飲むというだけではなく、お茶の時間そのものを愉しむという「茶藝館」のスタイルそのものでした。
お茶の香りが漂う店内で深呼吸をするとまるでどこかにトリップするかのような心地良さ・・・そこには普段の生活では感じた事のなかった「本物のくつろぎ」がありました。
店内に入った瞬間に感じたあの不思議な雰囲気は店内で思い思いにお茶を愉しんでいる人達のテーブルから立ちのぼり店内に漂っていたのです。
それまで烏龍茶といえばサントリーくらいの知識しかなかった私に「お茶の時間そのものを愉しむ」というスタイルはあまりにも新鮮で、その日以来私はすっかり中国茶に魅せられてしまったという訳です。横浜を旅する機会があったら是非行ってみて下さいね。本当にオススメのお店です。
さてさて・・・こうして中国茶にすっかりハマッた私が最初にしたのが茶道具を購入する事。中国茶には有耳蓋杯(ユウジガイハイ)と呼ばれる茶こし付きマグカップでいただいたり、蓋碗(ガイワン)というフタ付きの磁器でフタをずらし隙間からすするように飲む方法など様々ありますが、工夫式と呼ばれる飲み方には専用の茶道具がいくつかあるのです。
お茶をいれる急須は日本茶用の物より小振りの物が多く茶壺(チャフウ)と呼ばれています。また茶壺にお湯を注ぐ時に受け皿として用いる物を茶船(チャセン)といい、茶壺から最初にお茶を注ぐのが茶海(チャカイ)という器です。
そして中国茶では最初の方でも述べた通りただお茶を飲むだけではなく「お茶の香りや時間そのものを愉しむ」というところに最大の魅力があるので、聞香杯(モンコウハイ)と呼ばれるお茶の香りを嗅ぐためだけの器があるのです。(初めて三希堂さんでお茶をいただいた時に何より驚いたのがこの聞香杯の存在でした)
それからお茶を飲むための茶杯(チャハイ)、それと三希堂さんで私が一番最初に飲んだ木柵鉄観音(モクサクテッカンノン)という茶葉・・・私の中国茶ライフで最初に購入したのは太字で書いたこれら6つのアイテムでした。
今では雑貨屋さんや百貨店でも可愛い絵柄の物や渋い色調の物からスターターセットとして最低限必要な茶器が一揃えになった物など様々な中国茶器が手頃な価格で売られていますので比較的簡単に手に入れる事が出来ますよ。
それでは我が家で度々開かれる「うち茶会」に使っている茶道具と一番簡単な工夫式中国茶のいれ方をご紹介します。
|
|
|
|
▲まず茶船というボウルのようなものに器を入れ上から熱湯をかけて温めます。細長いのが香りを嗅ぐための聞香杯、丸いのがお茶をいただくための茶杯です。ヤケドしないように茶挟を使って気をつけて取り出します。
|
|
▲手前のガラスに入っているのが茶葉です。この日は某テレビ番組で花粉症対策に良いと紹介された凍頂烏龍茶をセレクト。茶船の上に茶壺を置いて茶葉を入れます。口の小さな茶壺には茶漏を用いて茶葉を入れます。 |
|
|
|
|
▲熱湯を溢れるくらいまでたっぷりと注ぎます。こうしていれた一煎目のお茶は「茶葉を洗う」という意味で飲まずに茶船の中に捨ててしまいます。その湯気でまた茶壺全体を温めるという効果もあるのですね。
|
|
▲また同じように熱湯を溢れるくらい注いだら茶壺にフタをして上からまた熱湯をまわしかけるようにして茶壺全体を温めます。一煎目の捨てるお茶をいれる時からこの方法でいれます。蒸らし時間は約30秒〜40秒。
|
|
|
|
|
▲充分に蒸らしたら直接茶杯には注がずに茶海と呼ばれる器に注ぎます。この時茶壺のフタを押さえるとヤケドする危険性大!(←経験済み?笑)茶海に茶壺を立てるようにして最後の一滴までしっかりとお茶を注ぎます。
|
|
▲そして茶海からまず聞香杯にお茶を注ぎます。こうして茶壺から茶海、茶海から聞香杯と注いでいるうちにお茶の香りと澄んだ水色を引き出すために熱湯でいれたお茶も徐々に適温になっていくというわけですね。 |
|
|
|
|
▲聞香杯から茶杯へお茶を注ぎます。そして空になった聞香杯をそっと鼻に近付けて杯に残った香りを嗅いでみます。目を閉じて深く吸い込むように嗅いでみると・・・なんとも言えないリラックス効果にびっくり。
|
|
▲充分に香りを楽しんだところでいよいよ茶杯のお茶をいただきます。2煎目、3煎目と同様にいれて楽しみましょう。大体7煎目くらいまで美味しく頂けます。回数が増える毎に蒸らし時間を少しずつ長めにして下さいね。
|
|
このように必要最低限の道具と茶葉さえあれば本当に簡単に本格的な中国茶を楽しめるんです。道具が揃っているのにこした事はないですが、ご家庭にある急須やお猪口などで代用しても全然OKだと思います。ただ是非お茶の香りを味わって欲しいので出来れば聞香杯だけはあると良いかも知れませんね。(お茶を飲む時の香りと聞香杯の香りとではまた微妙に違うものなんです) あとは熱いお湯と茶葉さえあれば、一人で気の赴くままにでも、仲間とわいわい楽しく語り合いながらでも思い思いのスタイルで中国茶を愉しむ事が出来ますね。
中国茶とひとくちで言ってもその種類は数千種類あると言われており、いわゆる烏龍茶と呼ばれている青茶や、プーアール茶などの黒茶の他、緑茶・紅茶・白茶・黄茶など茶葉の発酵度などによってお茶の水色別に大きく6種類に分かれています。またジャスミン茶に代表される花茶や見た目でも楽しめるよう茶葉を加工した工芸茶と呼ばれているものもあります。
中には「中国茶はニガテ・・・」という方もいらっしゃると思いますが、一口に中国茶と言ってもその種類は本当にたくさんあるんですね。
本場には実は日本人の口にはちょっと合わない茶葉も多いようですが、現在輸入されている物は飲み易く香りも味もスッキリした日本人好みの物が中心ですので、きっとあなた好みのお茶が見つかるはずですよ。何を選べばいいのか迷ったらとりあえず青茶と呼ばれている、凍頂烏龍茶(トウチョウウーロンチャ)、高山烏龍茶(コウザンウーロンチャ)、木柵鉄観音(モクサクテッカンノン)、安渓鉄観音(アンケイテッカンノン)などが味・香りともにオススメです。
また「本格的にやってみたいけど道具を揃えるのは大変だしちょっと面倒・・・」という方にはこんな手軽に中国茶を楽しめる方法もあるんですよ。
上の写真は先にもご紹介した工芸茶の一種で仙桃千日紅(セントウセンニチコウ)という緑茶とジャスミンの花で出来たいわゆるジャスミン茶で千日紅の花をくるみ丸い玉状に加工された茶葉です。見た目も手まりみたいでとってもカワイイですね。
|
|
|
|
▲前回の『うちカフェ』でご紹介したDURALEXのグラスに一粒入れて熱湯を注いでみました。蓋碗(ガイワン)というフタ付きの専用茶器もありますが、これでも全然OK!蒸らす時だけは小皿などでフタをすればベターです。
|
|
▲ゆっくりと茶葉が開いて中の千日紅が鮮やかに見えてきます。お部屋にはジャスミンの良い香りがいっぱいに広がって・・・お茶を飲んで、香りを楽しんで、おまけに見た目の美しさでも楽しめるのが工芸茶の特徴です。
|
|
中国茶の道具や茶葉や楽しみ方についてはネットでも検索すればたくさん出てきます。中には初心者にも分かり易く本当に詳しく丁寧に書かれていてついつい見入ってしまうサイトもたくさん。いくつかご紹介しますのでお時間のある時にゆっくりご覧になってみて下さい。中国茶の奥の深さに改めて驚かされますよ。
■Let's Enjoy Chinese Tea 中国茶を楽しもう!
■台湾茶藝館
■中国茶と中国インテリア雑貨「桃花源」
■QingXiang(チンシャン)オンライン
心からくつろぐ・・・というのは忙しい普段の生活の中では出来そうでいてなかなか出来ないものかも知れません。でも今回ご紹介したようにほんのちょっとの手間でゆったりした時間や感動を簡単におうちでも体験出来るんです。
たまにはこんなふうに時間を使ってみるのはいかがでしょうか?そうして体感した「ゆったり・まったり」こそ、忙しいあなたへの最高のご褒美になるかも知れませんね。
(December,2003 by hanako)
|