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すっかり冬模様になってきました。
寒さが増すとコーヒーの御用向きも多くなり、いろいろな商品もリリースされていますね。
私はロースターとして、これまたいろいろなコーヒーストアに足を運び、視察も兼ねて豆をチェックするのですが、ほとんどのアイテムは既に見知ったものです。
ところが「え、この豆をこんなローストにするのか・・?」と、自分であればこうするであろう、ロースト度合いとは「かなり」かけ離れた商品が陳列されるケースも多々あります。
コーヒー豆への焙煎、即ちローストに対する考え方は、ロースターによって千差万別であり、またそれが(オリジナルとして)許容されている分野なのですが、
あまりのスタイルの違いがある場合、一体「焙煎」とは何なのだろう?と思い至ります。
今回は「焙煎」をテーマにご説明しましょう。
コーヒー豆に対する「焙煎」の考えとして、「いかにその豆の持ち味を生かした焼き方にするか」が基本的な眼目です。
目指す焼き上げ具合にピタリと合わせるのが上手い焙煎なのですが、プロとしてはその他に
・「豆に余分なダメージを与えず、いかに水分を抜くか?」
・「豆全体を均一に焼く為には?」
という課題があります。
「水分を抜く」というのはコーヒーの場合、あくまで熱(カロリー)を与えて「焼く」事を指します。
いわゆる真空蒸留(フリーズドライ)のような「水分だけ揮散させる」事とは異なります。
水分を抜くには多量のカロリーを与えれば容易に達成できますが、過ぎれば炭化、即ち「コゲ」に転じます。
この場合、豆の持ち味などは考慮されず、コゲ味が味わいに影響します。
かと言って、必要以下のカロリーでは豆の、特に芯の水分は抜けずに「生焼け」になり、尖った味わいの「渋味」の元になります。
「均一に焼く」と言う意味は1粒のコーヒー豆の焼き具合が外側と内側で同じかどうか、という事です。
いわゆる「強火焼き」では、豆の表面はコゲて、芯は「生」という悲惨な焙煎になります。
「とろ火焼き」ではコーヒーの味わいの元となる、熱反応による香気成分の発生が得られずにコーヒーらしさに欠けた平坦な味になります。
この点で電子レンジの理論で技術化された「ジェットロースター」という焙煎機があります。
豆が焼けるまで2〜3分、スイッチ一つで焼き手を問わず同じような焙煎豆を得られるのが特徴です。
確かに「豆を均一に焼く」と言う点で優れているのですが、私見では「とろ火焼き」の様な、味わいの起伏に乏しい結果であるように思います。
コーヒーらしさという意味では、1粒の豆の火の通り方に適度なグラデーションがあった方が好ましいのではないか、というのが私の考えです。
さて、最初のエピソードに戻って「え、この豆をこんなローストで・・」という豆、「予想では××な味になると思うけど、ひょっとしたら違うかも、勉強になるかも・・」
と思って試しに買い求めてみたのですが、予想通りの味(苦笑)
さすがに完成度としてどうだろう?と思ったのですが、件のロースターが「いや、その味を狙ってそう焼いたんだ」と主張されたとしたら、
私としては「豆が可哀想・・」と思っても、何も申し上げるわけにはいかないのです(笑)
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