多くのコーヒーストアで「スペシャリティー」もしくは「スペシャルティー」と冠されたコーヒーを散見するようになりました。併せて「オークションロット」とか「コンテスト入賞豆」というフレーズも目にしますね。

現在、最もコーヒー愛好家の食指を刺激しているのが「オークション品」「コンテスト品」でしょう。店頭で「コロンビア○○オークション△位 入賞豆、落札!」とかいかにも希少価値が高そうでそそられますね(笑)

「コンテスト」は品評会ですから、味わいが優れた豆をピックアップし、ランキングしていきます。「オークション」は「コンテスト」で上位 ランキングされた豆を入札形式で取引することです。

「良い豆」と評価されたものを対象にしているので、基本的には「おいしいコーヒー」と言えそうです。

元は小規模ながら良い品質の豆を生産している農家を表舞台に紹介する、という趣旨でスタートしたオークションですが 現在では様々な問題をはらんでいます。

生産国単位で開催されているオークションは、例えば(ブラジル)で「最も優れたコーヒー」、という印象を与えがちですがあくまでも「そのコンテストにエントリーした農園の中で」という前提があります。

「生産した豆は常に売れ先がある」とか「既に充分優良な評価を得ている」農園は販路拡充が目的のオークションに参加する必要がなく、 当然オークションには出回らない優れた豆が確実に存在しています。

しかしながら、オークション品はそのランキングがそのまま全体の中での品質を語っているかのような商業的喧伝がなされており、消費者に誤解を与えかねません。

最も問題なのはトップランキングされた豆は異常な高値で落札されており、これを知った生産者が血道をあげて「オークション用」の豆に注力しています。

とあるオークションでは1位で取引された農園主がその収入で世界一周を楽しんだというニュースがなされ、 経済力に乏しい生産国では脚光を浴びて一種、ギャンブル的な様相を呈しています。

名声や賞金目当てに特化されたコーヒー作り・・これらは限定的な特別 栽培のコンテスト用ですから商品として流通させる目的がありません。

一方で、エントリーする農園の全てではありませんが、私達が日常で楽しむ商品用のコーヒーはおざなりになっています・・

自動車メーカーに例えるとF1マシンを必死で開発し、乗用車のレベルアップは放ったらかし・・という現状があるのです。

オークション上位の豆は確かに素晴らしい品質であることが多いのですが、その時だけの「瞬間最大風速」みたいなもので再現性に乏しいものです。

往年の「スター誕生!!」(古っ!)で優勝した逸材も、すぐに歌謡界で通 用するわけではありません。 そのレベルを維持し、向上する不断のトレーニングが不可欠です。コーヒー作りにおいても、そここそが本当に評価されるべき側面 ではないでしょうか。

この様な事例はウラの事情に近いのかもしれませんが、生産者と消費者の健全な関係を築く上では今後、必ずクローズアップされていくでしょう。「○○オークション・△位 入賞豆!!」という一見、華やかな美人は、整形やメイク美人であるかもしれないのです・・

余談ですが、当店でも「オークション落札品」をリリースしていますが、他のラインナップの豆と味わいに大きな差がなく、あまりリピートされませんでした・・

販売の方法にも課題はあると思いますが・・
うーん、お客様は正直です(苦笑)?


印象的だったオークション品
ガテマラ「ラスヌーベス農園」

玉 石混交のオークションアイテムではありますが、この「ラスヌーベス農園」はどこまでもソフトな口あたりとフルーティーな味わい で素晴らしいものでした。毎回このようなレベルですと安心してオススメできるのですが・・。


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