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朝晩が大分冷えるようになりました。暑い間コーヒーから遠ざかっていた方も、コーヒーストアに出向かれるようになってきたのではないでしょうか。
久しぶりのショーケースにはいつもの銘柄が並んでいると思いますが、果たして味わいもいつも通りなのでしょうか?
コーヒーも農作物ですので、年によるバラツキがあるのは当然なのですが、世界中の大まかな産地のクオリティも数年〜十数年単位で変わっていくものなのです。今回はそのあたりのお話を…
■モカ
恐らく日本で最もオーダーされていると考えられる銘柄。
最も知名度の高い「モカマタリ」は相変わらずの人気銘柄ですが「NO.9」と同様、現在ではクオリティが低下しています。
近年は濁ったような雑味が顕著で、味噌的な発酵由来の酸味が強まっています。逆にそのような味わいを好む方もいらっしゃると推察されますが、
全体的なバランスは崩れてきています。「ハラー」「レケンプティ」も同じような傾向があり、現時点では、より地域を限定した豆のみが「買い」だと思われます。
ローストは浅〜中煎りで酸味を残すパターンが多そうです。
■キリマンジャロ
キリマンジャロ山周辺を産地とする銘柄ですが日本では「タンザニア産」が主流です。主力銘柄「AA」は現在では香りが減少し、まろやかなコクと酸味を求めることはできません。
タンザニアは生産地として過渡期で、今後数年間は産地としてのクオリティは安定せず、農園によって落差が激しい状況が続くと考えられています。
現在では同じキリマンジャロでも「ケニア産」の方が1〜2ランクは上です。華やかな香りと深煎りで魅力を発揮するコクに優れています。
ローストは深煎りが多いのですが、豆質がデリケートな為、ロースターによって味わいの差がありそうです。
■コロンビア
現時点で最もクオリティが低下した生産国。
生産に対する投資の減少、量産を目的とした品種改造によって、かつて「マイルドコーヒー」の代名詞であった味わいは微塵もありません。
主力銘柄「スプレモ」「エキセルソ」はもはや工業用コーヒーと同レベルであり、香り味わいとも見るべきものはなく、コーヒーロースター泣かせの素材になっています。
現在は数少ない志を保った農園産の豆を入手するより手段がありません。
ローストは以前は深煎りでしたが、現在は豆が耐えられず中〜深煎りになりつつあります。
■ブラジル
世界で最も多くの農園を擁する産地。
将来的に生産量の拠点がアジアに移行する懸念から、クオリティを重視した生産が一部で意識されているようです。
地域での豆のコンテストや品評会など、試験的ながら従来のブラジルとかけ離れたような味わいの豆がリリースされ始めています。
しかし、それは現時点ではごく一部の動きであり、主力銘柄「サントス」シリーズなどは、可もなく不可もない状況が続いています。
ローストは浅〜深煎りと汎用性が高いですが中煎り辺りが多いと考えられます。これもロースター次第で変わってきます。
全般的に従来からのスタンダートクラス(マタリ・NO.9・AA・スプレモ・サントス・・)は味わいの点から悲観的な状況になりつつあり、
量より質を旨とする生産者の豆との格差が増々大きくなりつつある、というのが実感です。
お買い求めの際、「どのコーヒーが良いかしら?」という問いかけに対して、現在のスタンダートクラスをおススメするコーヒーストアにはご注意下さいませ。
…それで、前回の「プレス」の続きなのですが、もう少し他の生産地のご案内をした後でご説明しますね。お待たせして申し訳ありません。
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