皆さん、こんにちは。また少し間が開いてしまいました。
ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップの審査(と言うとお金を貰っているように聞こえるけど、実は全くのただ働き。旅費や宿泊費も全部自分持ち)や、コスタリカやパナマの産地めぐりなど、ちょっと忙しかったハニーおやじでした。
・・・と云うことで、前回は ・・・・・
西岡
:ところでですね、よく、ブラジルのナチュラルは酸味が少ないから、エスプレッソに向くって聞くけど、ホントなんっすか?

・・・と、言うところまででしたよね。では、早速、続きと行きましょう。

ハニーおやじ:コーヒーはアカネ科の植物で、赤い実を付けるんだ。直径が1cmちょっとの、円又は長円形の実で、中に1対の種が入ってるんだけど、コーヒーは、その種から作られるんだけど、知っとった?
西岡:まじっすか?って、冗談っすよ。それ位知ってますよ。だけど、一般の人は知らない人もいるかもしれないっすよね。
ハニーおやじ:そうだね。丁度良いから、今回、少し説明しとこうか。
西岡:宜しくお願いしま〜す。
ハニーおやじ:実は、種からコーヒーを精製するやり方には、大きく分けて4通りあるんだけど。知っとんね?
西岡:4通りっすかぁ?え〜とですね。まずナチュラルっしょ、それからパルプトナチュラル、そいでウォッシュトですよね。え?後一つって何っすか?
ハニーおやじ:あれ?思ってたより、知っとんね。あ、そうか。SCAJのコーヒー基礎講座を受講したもんね。話が少し外れるけど、この講座は「基礎」って銘打ってあったもんだから、多くのコーヒー関係者や自家焙煎店の人は「基礎だったら俺は行く必要は無い」と思って受講しなかったのかもしれないけど、あれは現在日本で受講しうる最高の講座だったと思うよ。いや世界水準で見ても、あんなに体系的でハイレベルの講座は無いだろうね。講師もSCAJの林専務理事だったしね。どこが基礎なんだい!と思ったら、林専務理事は「この講座はスペシャルティコーヒーを知る上で、どうしても必要な事と云う意味で、基礎と云う名前を付けましたが、決して内容が易しいという事ではありません」と言われとったよね。最初からそう言えってね。・・で、何だっけ? あ、そうか、精製の仕方だったね。四つのうち、三つは知ってたんだったよね。あと一つが何なのかは、まあ、次回までの宿題にしとこうか。早く知りたい人は、コーヒー関係の人にでも聞いて下さいね。・・・で、今回は、ナチュラルと言われる精製方法が、酸味が少ないのか、と云うことだったよね。確かに、エスプレッソにはナチュラルを使う傾向があるし、ナチュラルは、実をそのまま干すので、実の甘みが中の種にしみこんで、甘さが増す、と言われてるんだ。ブラジルのナチュラルコーヒーだけのコンテスト「レイトハーベスト」の審査会が、去年、スイスのベルンであって、僕も審査したけど、カッピングは甘いものが多いのは事実だね。
西岡:作り方って、具体的にはどんなんなんっすか?
ハニーおやじ:そうね、丁度良い機会だから、僕が現地で撮ってきた写真があるから、それで説明しようかね。じゃあ、先ずはナチュラルから行こうか。次の写真を見てみて。

これは、見ての通りコーヒーの実だけど、これを見てどう思う?

西岡:どうって?なんか実がいっぱい付いてますよね。
ハニーおやじ:そうやね、他には?
西岡:なんか、赤いのの中に黄色いのもありますね。
ハニーおやじ:そうなんよね、これね、コーヒーってね、厄介なんだけど、実がね、均一に熟さんのよね。まばらなんよ。ただね、この写真はブラジルのミナスジェライス州の農園で撮ってきたもんだけど、同じ農園でも、全体に熟してる木もあったよ。でも、こういう風に、まばらに熟すのが普通と思ったほうが良かろうね。・・・で、話しを戻して、ナチュラルという作り方ね、さっきも書いたけど、実のまんま乾すやり方なんよね。そうすると、この写真を見てどう思うか?ってさっき聞いた意味が分かった?
西岡:分かったっす。収穫する時、ごそっと取っちゃうと未熟豆が入っちゃいます。
ハニーおやじ:そうなんよ!それもあるし、赤い実でも、完熟してるのか、あと一歩なのかが微妙でね、実はスペシャルティコーヒーを作ろうと思うと、その微妙なところが大きく影響してくる訳よ。
西岡:そうなんっすか。じゃあ、ナチュラルで良いものを作るって、相当難しいんじゃないですか。
ハニーおやじ:そう!だから、普通に作るナチュラルには、あまり良い物はないと思ったほうが良いね。逆に言うと、ナチュラルの良い物って本当に少ないんよ。次の写真を見てみようか。

これが、収穫した実をそのまま乾してるナチュラルやけど、全体が黒くなっとろ?あれね、最初は赤いのやら黄色いのやら黒っぽいのやら混ざっとったんやけど、乾燥していくにつれて、色で区別が出来んようになるんよね。こうなると、もう分からんよね。
西岡:じゃあ、ナチュラルでいいものを作ろうとすると、最初の選別がかなり大事だって事っすよね。
ハニーおやじ:そうね。実際は、先ず収穫労働者に、出来るだけ完熟実だけを取ってもらうのが第一ね。次は比重選別機と言われる機械で、浮くものと沈むものに分ける。完熟実と未完熟実、そして未熟実が沈み、虫食いや、実が詰まってないようなものは浮くから、そこである程度分けることが出来るよね。
西岡:え?じゃあ、完熟実と未完熟実、そして未熟実はどうやって分けるんっすか?
ハニーおやじ:それは、残念ながら機械で分けることは出来ないから、目で見て分けるしかないね。ただ、その場合も乾燥してしまうと、見分けがつかなくなるから、乾す前に分別しなきゃならない。大変な作業だよね。
西岡:・・・・
ハニーおやじ:そうね、でもね、最近(ここ10年位かな)ブラジルで開発された、グリーンセパレーターと云う機械が凄い機械でね。名前の通り、グリーン(未熟豆)を選別できる機械なんよ。実は、この機械が出来てから、ブラジルのコーヒーの品質が飛躍的にアップしたんよ。ただ、これはパルプトナチュラルって言う作り方の時に使う機械で、ナチュラルには使えんのだけどね。・・・で、ナチュラルは酸味が弱いのかと云うことだけど、実はこのことは、これまで、キチッと検証した人はいなかったんだろうね。ブラジル人に言わせれば、ナチュラルの方が酸味が弱いなんて、そんなことは無い。と言うのよね。そこで、ブラジルの農場の協力を得て実験した人がいたそうで、その結果は、ナチュラルだから酸味が少ないと云う事は言えない、と云う結果だったそうだ。
西岡:そうなんっすか。すっかり信じ込んでたっす。
ハニーおやじ:今回は、ちょっと面白くなかったかな。次回は、宿題にしていたもう一つの作り方(精製の仕方)を紹介して、また別の角度からコーヒーを考えてみようかね。ただ、4月中旬はベストオブパナマの審査でパナマに出かけるし、4月終わりから5月にかけて、グアテマラカップオブエクセレンスの審査でグアテマラに行き、また、SCAAのカンファレンスがロングビーチであるので、それも回って来るので、時間が無く、また遅くなってしまうかもしれないけど、気長に待っとってね。んじゃ。また今度ね。
ハニー珈琲:井崎克英プロフィール
1953年、福岡県出身。1977年から小中学生向けの学習塾『高陵学園』を南区に設立。効率的な授業システムの構築に情熱を注ぐが、1996年南区野間ダイエーのコーヒー豆専門店『ハニー珈琲』の経営を頼まれ、権利を買い取り全く畑違いの道に進 む。2001年、スペシャルティコーヒーと言われる素晴らしいコーヒーを手に入れたく、創成期の『珈琲の味方塾』に参加。以来「本当に美味しいコーヒーとは何か」を常に追い求めながら現在に至る。なお、ハニー珈琲の全てのコーヒー豆はスペシャルティコーヒーになっている。

manu coffee :西岡総司プロフィール
1975年、長崎県出身。1997年頃より現在のmanu coffeeのスタッフ達に出会う。2001年に「師匠」と仰ぐハニー珈琲の井崎氏と出会い、スペシャルティコーヒーの存在を知る。2002年に独立し、2003年にはmanu coffee春吉店、舞鶴店の2店舗をOPEN。その後も気の合う仲間と出会いを重ね、現在スペシャルティコーヒーに没頭中。2006年に開催されたカフェトラグランプリ「最強の珈琲選手権」ではなみいる名店を押さえ、第1位を獲得。そのクオリティには高い評価を得ている。


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