カフェや喫茶店、レストランに行ったとき「ここのコーヒーは美味しい」とか、「ここの料理はあまり美味しくない」などと言いますよね。でも、同じ店の同じコーヒーを、ある人は「美味しい」と言い、別な人は「不味くて飲めたもんじゃない」と言います。レストランやラーメン屋でも同じようなことをよく聞きます。
同じ料理、同じコーヒーなのに、なんでこんなに評価が分かれるんでしょうか?
その理由は、料理はともかくコーヒーの場合は、殆どの人が『本当に美味しいコーヒー』を飲んだことがないから、と云うことが言えると思います。
人は自分が慣れ親しんだ味を基準にする、ということはよく知られています。ですからこれまで、自分が美味しいと信じて飲んできたコーヒーを基準に判断するんですね。
これは一般の方だけではなく、プロでも同じことが言えます。コーヒーのプロと言えども『本当に美味しいコーヒー』を飲んだことがある人は非常に少ないからです。料理でも同じかもしれません。違うのは、『本当に美味しいコーヒー』は、いくらお金を積んでも飲めるチャンスは非常に少ないけれど、『本当に美味しい料理』はお金さえあれば、毎日でも食べることが出来ると云う点でしょうか。
辻静雄さん(故人)が、一介の新聞記者から料理学校、それも本格的なフランス料理の学校経営に転身しようとされたとき、ヨーロッパのいくつかの超一流レストランに夫妻で泊まりこんで、その味を徹底的に自分の舌に叩き込んだという話は有名ですが、お金さえあれば本物の味を覚えることは、今の日本なら恐らく可能でしょう。
しかし、『本当に美味しいコーヒー』は、いくらお金を出しても簡単には飲めないのです。
西岡:ホントっすか?じゃあ、その本当に美味しいコーヒーって、どうやったら飲めるんっすか?
ハニーおやじ:どうやったらって、マヌではいつも飲めるやんか
西岡:何言ってんすか!マヌでじゃないっすよ。マヌに来れない一般の人っすよ!
ハニーおやじ:あっそうか、ごめん。そりゃそうだよね。そうやねえ、一番確かなのは、COE(Cup
of Excellence…カップオブエクセレンス)のコーヒーかな。このCOEの称号を与えられたコーヒーで、正しく焙煎されたものなら、間違いなく美味しいコーヒーだって言えるよね。
西岡:そりゃあ、そうっすよね。でも、それって、ハニー以外でも売っとんっすか?
ハニーおやじ:そうね。COEは商社も落札してるから、自家焙煎店にも売ってるところはあると思うよ。ただね、焙煎が悪かったり、去年のロットだったりすると、良さが伝わらないから、そこは気を付けんとね。
西岡:COEの焙煎って、そんなに難しいんっすか?
ハニーおやじ:そうやね。でも普通の品質のコーヒーの場合は、それ程難しくはないと思うよ。普通の品質のコーヒーって言うのは、ブルーマウンテンとかブラジルサントスとかキリマンジャロなどと言われているコーヒーね。でも、COEに代表される、所謂「スペシャルティコーヒー」と言われるコーヒーの焙煎は、かなり難しいね。厳密な意味で、このスペシャルティコーヒーをキチンと焙煎できてる人って、今の日本に何人おるっちゃろか?という位、難しい訳よ。
西岡:そうっすよね。この前、中部地方で行われたカッピングセミナーに行った時に、向こうの店で「カップオブエクセレンス」のコーヒーを売ってたから買ってきたけど、あんまり美味しくはなかったんっすよね
ハニーおやじ:そうか。素晴らしい素材なのに惜しいねぇ。
西岡:素材って言えばですね、そのカッピングセミナーの時に、コーヒーの味の要素を習ったんすよね。フレーバー(香り)、アフターテイスト(後口)、アシディティ(酸味の質)、マウスフィール(口に含んだ時の触感)、スイートネス(甘み)、クリーンカップ(口に含んだ時の透明感)なんっすけどね、一番大事なのってどれなんっすか?
ハニーおやじ:どれが大事かって?よし!じゃあ、次回はその辺からスペシャルティコーヒーについて、少し考えてみようかね。
・・・と言うことで、今回はここまで。
今回はハニー珈琲の新店舗への移転などで忙しく、予定より遅れてしまい、申し訳ありませんでした。次回からスペシャルティコーヒーの核心に少しずつ迫っていきます。どうぞお楽しみに。
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